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2012年5月 6日 (日)

GWヒマ企画〜その2

そして、パート2sign01
〜'2006.6より


梅雨の1ページ

こじんまりとした洋風の居酒屋で僕は煙草に火をつけた。

その頃の僕は恋がしたかった

…間違いなく

愛想のないバーテンダーは、カンパリ・グレープフルーツを僕に手渡した

店内では、ラブバラードが流れていた。
“If hold on together”

そのせいだったかも知れない

戻ってきた彼女に僕が発した言葉は、
『好きになったかも』

そして彼女はいたずらっぽく笑ったあとで、
「私も、好きかもっ」

止まっていた砂時計が音を立ててゆっくりと動き始めた瞬間だった


僕たちは、性格から趣味や価値観まで違っていた

ただ、一つだけ共通点があった
それはクローバーのアクセサリーを持っていることだった

彼女は冗談を言う時、下からじっと覗きこむ癖があった
その仕草が僕はとても好きだった

僕たちのデートは、梅雨の時期のせいか雨が降っていることが多かった

そして同じカサに入って仲良く街を歩いた。

だから、僕の右肩はいつも洗濯したばかりの服みたいだった

僕らにはカサは1本だけでよかった。

あたりまえが、あたりまえでなくなる時に恋は終りを告げていく

僕の右肩が雨で濡れなくなってきた頃、あまり彼女とは会わなくなってきた

そして、久しぶりに会った僕らは少しぎこちなく話をした

『最近はどう?元気?』

「うん。それなりに…ね」

たわいもない話をした後、僕はきりだした。

『占いって信じる?』

「うん。どうして?」

『よく当たる占いがあるんだ』

僕はポケットからクローバーの束を取り出した

『これで花占いをする』

「だって、これじゃすぐに…」

『だからよく当たる』
僕は少し笑った

『じゃあ、最初に好きか嫌いか言ってみて』

彼女は少しためらった後、「じゃあ、好き?」

『ほら…好き、嫌い、好き。好きになるんだってさ』

僕はクローバーを1枚ずつ数えた。


一瞬、不思議そうな顔をした彼女は少し笑って、
「それじゃ嫌い」

ここぞとばかりに僕は4つ葉のクローバーを彼女に手渡した

「本当によく当たるの?この占い?」

『ああ、もちろん。僕たちは、もしお互いが嫌いになってもクローバーがふたりを再び引きよせてくれるんだ』

僕はいつも持っているクローバーのキーホルダーを彼女に見せた

「それじゃ、安心ねっ」
いたずらっぽく笑った後で彼女はいつも財布につけているクローバーのキーホルダーを僕に見せた

外は雨がやんでいて、夏のにおいがしていた。

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