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2012年10月10日 (水)

すいか

いつものスーパーでスイカを買った。
カットしたもの。

食べてたら、懐かしい記憶がコマ送りのように、甦ってきた。

僕は小学生の頃、夏休みの大半は房総半島にある田舎で過ごした。

当時、新宿に住んでいた僕にとっては宝の山。

田舎は、鯨の上がる漁港のすぐ側にあった。
前には海が広がり、防波堤にはトンビの泣き声が響き渡った。
僕らは岩場でサザエや岩ガニやカキを取った。

そして、海から陸地を眺めると、いくつも重なりあった山々が見えた。

山へ上ると、トンビの声からセミの声に音色が変わった。
夏みかんの木が畑を包みこみ、山の入口では、都会で見ることのない蝶やトンボが、僕らを迎えてくれた。

そして、奥へ入っていくとアケビがあったり、栗の木があったりした。

川にはサンショウウオが見えて、ひかげにはフクロウがいたりして、小さな動物園のような感覚に包まれた。

僕はそれを喜んで大騒ぎするもんだから、地元の仲間は笑って案内してくれた。

そんな風に、夏休みは目まぐるしく過ぎていった。

忘れられないのは、夜になるとじいちゃんが、スイカを物置から出してきて、
「スイカ、食うか?」
とやさしい笑顔で声かけてくれたこと。

それが、僕の寝る前の儀式だった。
スイカの味なんてどうでもよかった。
じいちゃんと一緒に、こっそり食べることが楽しかった。

そして、今。
じいちゃんは、海の見渡せる場所から、ずっと僕らを見守っている。

僕はあまり甘くないスイカを食べて、その時の事を思い出した。

セピア色に染まった写真は、スイカを抱えて笑ってる僕とじいちゃんを写し出していた。

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コメント

な、な、な、、、涙で前が見えません!

投稿: クレイジー狸 | 2012年10月10日 (水) 12時06分

井上陽水の「少年時代」が聞こえてきましたよ。

 「胸が、 キュン 」となるお話でした。

 ありがとうconfident

投稿: Hime | 2012年10月11日 (木) 07時42分

狸さん

ご無沙汰だねー(^-^)b

つい過去のパターンを考えちゃうから、笑いネタに運ばれるんじゃないかとビクビクしちゃうよ(笑)

秋だしさ、つい感傷的になっちゃったんだ。

投稿: てっちゃん | 2012年10月11日 (木) 20時34分

Himeちゃん

ダンスで「キュンheart04」とさせたいトコだけど…ムリか( ̄▽ ̄;)

スイカを食べて目を閉じてたら、ふとあの場所へ戻れそうなくらい、
鮮明に浮かんできたんだ

投稿: てっちゃん | 2012年10月11日 (木) 20時50分

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